あの子の住む街へ |
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何年か振りに行ってみることに決めた。
未だに自分の心の中のもやもやが取れなくて、先に進めずにいて。
一度会って話でも出来たら何かが変わるかな、と。
少なくともここでうんうん唸っているよりは状況は改善するだろう。
そう考えて、あの子へのアポも取らないまま先にチケットだけ取った。
会えないなら会えないで、一人で過ごして、あの場所で想いを捨ててくるつもりでいた。
あの子に「一緒に食事でもどう？」とメールをした。
「いいよー！」とあの頃と変わらない返事をもらえた。
よかったなぁ会えるんだ、と思っていた矢先、
「せっかくなら泊まって行けば良いのに」
え？ と一瞬目を疑ってしまった。泊まってけ、と？
食事ですら断られるかもと思っていたのに、それ以上の展開が待っていた。
あの子はどういう気持ちで言ったのか…何か裏があるんじゃないかと少し疑ってしまう自分が嫌になる。